実証課題 1
計画生産の精度向上
概要
背景
● 収穫してみないと、トマトの量、品質がわからない
● 収穫見込みがブレるので確実に納品できる量しか事前受注できない
● 余剰分は安価で販売せざるを得ない
取組概要
● SIPトマト栽培ツールを使用し、トマトの計画生産を実現
● WAGRIとプラットフォームの連携で予測を見える化
● 収穫シミュレーションで変化への対応力向上
取組概要
顧客ニーズに応じた高品質トマトを計画的に生産し、売上高を向上させる
トマトの計画生産の実現により、安定した受注とブランド維持が可能となり、結果的には販売数量や売上の拡大につながります。今回の実証では、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の成果であるトマト栽培ツールを導入し、さらにメッシュ気象予測や予測シミュレーションを活用することで、計画の精度を向上させ、顧客ニーズに応じた高品質トマトの計画生産が実現しました。
取り組み内容
SIPトマト栽培ツールの導入
トマトの計画生産の実現により、安定した受注とブランド維持が可能となり、結果的には販売数量や売上の拡大につながります。今回の実証では、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の成果であるトマト栽培ツールを導入し、さらにメッシュ気象予測や予測シミュレーションを活用することで、計画の精度を向上させ、顧客ニーズに応じた高品質トマトの計画生産が実現しました。
❶ 育苗条件設定ツール
品種ごとに収量性が高く扱いやすい苗の育苗方法を提示
❷ 果実品質事前設定ツール
目的糖度を達成するための給液設定を提示
❸ 自動潅水装置
果実品質を安定化することができる自動潅水装置
❹ 生育・収量予測ツール
環境条件と品種特性から生育や収量を算出
収穫予測ツールの活用
❶ WAGRI連携と可視化
WAGRI連携により生育・収量予測ツールとメッシュ気象予測データを組み合わせて精度の高い予測結果を提示。提示された情報は、Iot型統合情報プラットフォームで可視化できます。
❷ 予測シミュレーションの活用
例えば温度を上げる、CO₂施用量を増やすなど、環境制御指標を変更した場合の収穫量予測が提示されます。
活用例
☆糖度8度以上のトマトの計画生産
【1】 良苗の生産
育苗条件設定ツールを使用し苗テラスで理想的な良苗を生産。
【2】 糖度8度を実現する潅水管理①
果実品質事前設定ツールを使用し、目標糖度(8度)を実現するための潅水計画をアウトプット。計画に沿った潅水管理を行う。(図1)
【3】 糖度8度を実現する潅水管理②
蒸散給液システムを使用し、生育に応じた葉面積と飽差から推定した蒸散量に応じた最適な給水を行う。(図1)
【4】 生育・収量予測を活用して販売計画作成
生育・収量予測ツールの収穫量予測に基づき販売計画を作成。
【5】 収量予測シミュレーションの活用で事前受注量増①
環境情報の実績値とメッシュ気象予測データを使用して生育・収量予測ツールを使うと当初の計画収穫量が、どのように変化するかが可視化される。より精度の高い収穫量予測結果に基づき事前受注を確定させる。(図2)
【6】 収量予測シミュレーションの活用で事前受注量増②
例えば、「CO₂濃度を500ppmから600ppmの上昇させたら、収穫量がどう変化するか」「平均気温を1日1度上昇させたら、どう変化するか」など、シミュレーション機能を使って、当初の収穫計画に寄せるための手段の検討にも活用できる。(図2)
活用例
計画生産の精度が上がることで、お客様のニーズに応じたトマトをより多く受注することが可能となります。ブランドの維持や、安定出荷につながり、結果として販売単価と販売数量が向上、売上拡大に貢献します。