実証課題 2

データ活用型PDCA

概要

背景

● 情報がアナログで分散しており、集約や可視化が困難
● 栽培成果である収穫トマトの評価が漠然としており定性的
● データを活用した分析に時間を要す

取組概要

● IoT型統合情報プラットフォームを導入し、情報をスマート化・自動集約
● 収穫トマト個々の評価と評価結果のスマート化・自動集約
● 集めた情報を、いつでも、簡単に、わかりやすく、見える化

期待成果

定量情報に基づくPDCA実現で、収穫量・品質を向上させる

農業へのデータ活用は近年進んではいるものの、未だアナログ管理も多く、情報も分散しているのが現状です。そこで、様々なデータのデジタル化と、それらの集約、一元管理に取り組み、栽培上の課題特定や原因分析にデータを活用し易くなりました。

取り組み内容

IoT型統合情報プラットフォームの導入

IoT型統合情報プラットフォームは、さまざまな情報を一元管理できるプラットフォームです。また情報の可視化に「tableau」を導入。収集した情報を簡単、瞬時に可視化できるようにしました。

● ダッシュボードで瞬時に可視化。

環境情報、生育調査結果、収穫トマト評価結果などを同じ時間軸で瞬時にグラフ化。可視化することで栽培上の課題特定や原因分析が可能となりました。

tableauダッシュボード

AI搭載型自動選果システムの導入

従来は定性的で限定的だった収穫トマトの評価をシステム導入により全量を詳細に評価しデータベース化。栽培結果を正しく認識することが可能となりました。

活用例

☆A棟で7~8段花房の花質が急に悪化したのは何故か?その対策は?

【1】 まずは原因の仮説を立てる

「対象段花房の花芽分化から開花頃に着花負担が増大し、生長点への糖の分配量が減少したのではないか」


【2】 作レビューを使って、各種データを確認する

① 7段花房の花芽分化時期に急に温度が下がり始めた(図1)
② 5段目以降の開花スピードが急に落ちた(図2)
③ 11月中旬に収穫が開始された(図2)


【3】 データ確認結果から要因を分析する

7段目の花芽分化時期に温度が急激に下降し、果実の肥大に糖が使用され、生長点への分配が不足し、花質が悪くなった。


【4】 対策を考える

① 急激な温度低下をさせないよう加温でコントロールする。
② 対象段の収穫量が減少する可能性あり。減少を踏まえて販売する。

図1)
図2)

期待成果と効果

高精度な栽培結果の評価と、一元管理したデータの分析により、データを活用したPDCAサイクルを適切に回すことが可能に。収穫量や品質の向上につながります。

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